今回は標準層せん断力係数Coについてわかりやすく解説していきたいと思います。
標準層せん断力係数は建築の地震荷重の算定する際に使うとても重要な荷重の知識です。ぜひこの記事を参考にしてみて下さい!!
標準層せん断力係数Coってなんだ??
標準層せん断力係数とは(Co)
層せん断力係数は地震時に建物が受ける応答加速度になります。
せん断力係数=地震加速度
せん断力係数×質量(重量)=地震力
と認識しても遜色ないです。標準層せん断力が大きければ地震力は大きくなります。
地震の力は剛性の高い層(階やフロア)にかかると考えるのが一般的なので、地震力=層のせん断力と考えています。
標準層せん断力係数は 層せん断力係数に”標準”と名が付くとおり、標準となるべき地震力を定めたものであり、建築基準法で定めた地震力(加速度)の大きさです。
標準層せん断力係数の記号は[Co]で表し、単位は係数なので無次元です。
標準層せん断力係数については建築基準法施行令第88条2項と3項に記載があり、
2 標準せん断力係数は、0.2以上としなければならない。ただし、地盤が著しく軟弱な区域として特定行政庁が国土交通大臣の定める基準に基づいて規則で指定する区域内における木造の建築物(第46条第2項第一号に掲げる基準に適合するものを除く。)にあつては、0.3以上としなければならない。
3 第82条の3第二号の規定により必要保有水平耐力を計算する場合においては、前項の規定にかかわらず、標準せん断力係数は、1.0以上としなければならない。
建築基準法施行令第88条2項
上記の引用をまとめると
- 基本はCo=0.2以上
- 軟弱地盤における木造建築物はCo=0.3以上
- 必要保有水平耐力計算時はCo=1.0以上
建築基準法の基本的な考え方としてはCo=0.2と0.3は中規模の地震による加速度を想定し、Co=1.0は大地震を想定した数値の設定をしています。
鉄骨造の計算ルートごとの標準層せん断力
また別途覚えておきたいのが鉄骨造の構造計算ルートごとの標準層せん断力の違いです。
それぞれ使う値が異なるので注意が必要です。
構造計算ルートは建物の規模によって設計する方法が異なります。どれを適用すれば安全であるということはないですが、
許容応力度設計法では中規模の地震による加速度を想定し、保有水平耐力計算法は大地震を想定した設定をしています。
ルート1:許容応力度計算
鉄骨造の計算ルートが1-1または1-2の場合、Co=0.3以上で計算を行います。
ルート2:許容応力度計算
鉄骨造の計算ルートが2の場合、Co=0.2以上で計算を行います。
ルート3:許容応力度計算および保有水平耐力計算
鉄骨造の計算ルートが3の場合、許容応力度計算ではCo=0.2以上で保有水平耐力ではCo=1.0以上で計算を行います。
まとめ
今回は標準層せん断力についてまとめてきました。標準層せん断力は建築設計・地震荷重の算定において重要なキーワードです。
もし標準層せん断力が分からなくなった場合はこちらの記事を参考にしてみてください!!
標準層せん断力を使う地震荷重の算定方法につきましてはこちらの記事を参考にしてみてください!
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