今回は振動特性係数についてわかりやすく解説していきたいと思います。
振動特性係数は地震荷重の計算を行う上でつかう知識です。ぜひこの記事を参考にしてみて下さい!!
振動特性係数とはなんだ??
振動特性係数とは(Rt)
振動特性係数とは建築物を支える地盤と建物の持つ固有周期によって変化する地震動の大きさを係数で表した値が振動特性係数になります。
振動特性係数は1次固有周期が地盤種別による周期Tcの値を下回るとRtが1.0を下回ります。比較的強い地盤(第1種地盤)の方が振動特性係数が小さくなる傾向にあることと、1次固有周期が地盤周期Tcの2倍になるとRt=0.8になると覚えておきましょう!
地域係数の記号は[Rt]で表し、単位は無次元です。
[振動特性係数]
T<Tcの場合
\(Rt=1.0\) …式(1)
Tc≦T<2Tの場合
\(Rt=1-0.2\left(\dfrac{T}{Tc}-1\right)^2\) …式(2)
2Tc≦Tの場合
\(Rt=1.6Tc/T\) …式(3)
Tc:地盤種別による係数
T:設計用1次固有周期 ∴T=h(0.02+0.01α)
h:当該建築物の高さ
α:当該建築物のうち柱及びはりの大部分が鉄骨造である階(地階を除く)の高さの合計のhに対する比(鉄骨造の場合 α=1)
地盤の種別による数値(Tc)
地盤種別は建築物を支える地盤の主たる土質によって値が変わります。地盤種別は記号で[Tc]で表し、単位は周期の[sec],[s]で表現します。
- 第1種地盤 (Tc=0.4)
- 第2種地盤 (Tc=0.6)
- 第3種地盤 (Tc=0.8)
の3つに分けられます
第1種地盤 Tc=0.4
岩盤、硬質砂れき層その他主として第三紀以前の地層によって構成されているもの又は地盤周期等についての調査若しくは研究の成果に基づき、これと同程度の地盤周期を有すると認められるもの
第2種地盤 Tc=0.6
第1種地盤及び第3種地盤以外のもの
第3種地盤 Tc=0.8
腐植土、泥土その他これらに類するもので大部分が構成されている沖積層(盛土がある場合においてはこれを含む。)で、その深さがおおむね30メートル以上のもの、沼沢、泥海等を埋め立てた地盤の深さがおおむね3メートル以上であり、かつ、これらで埋め立てられてからおおむね30年経過していないもの又は地盤周期等についての調査若しくは研究の成果に基づき、これらと同程度の地盤周期を有すると認められるもの
計算例
[計算例]
Tc:第1種地盤 Tc=0.4
h: 20m
α:鉄骨造の場合 α=1
まずは設計用一次固有周期を求めます。
\(T=h(0.02+0.01α)=20(0.02+0.01*1)=0.6\)
つぎにRtを求めたいので判別式よりTc<T=0.6<2Tcなので、式(2)を使います
\(Rt=1-0.2\left(\dfrac{T}{Tc}-1\right)^2\)
\(Rt=0.95\)
引用元:建築物荷重指針・同解説
まとめ
今回は振動特性係数についてまとめてきました。振動特性係数は建築設計において重要なキーワードです。
もし振動特性係数が分からなくなった場合はこちらの記事を参考にしてみてください!!
振動特性係数Rtを使う地震荷重についてはこちらの記事を参考にしてみてください。
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