こんにちはTOMです。受験生の皆さんはいかがお過ごしでしょうか、
今回は製図試験1週間前の過ごし方や製図試験当日についてまとめていきたいと思います。
私自身は2020年に初めて受験し、幸いなことに一発で合格することができました。
製図は受験生や講師の中でもかなり難しい試験と言われています。
今年初めて製図試験を受験する方にとって、どのような心構えで受験したかを体験談として共有できたらいいなと思います。
それではよろしくお願いいたします。
製図試験について
まず最初は試験の概要についてざっくりと説明します
日時
2023年の製図試験は10/8(日)に行われる予定です。
自然災害など大きな出来事がない限り通常通り実施されます。詳しくは公式HPをご覧ください。
試験時間は6時間半
開始時刻は午前11時~午後5時半までのぶっ通しで、10:45から試験元より試験要領説明があります。
時間に余裕を持ち一時間前くらいには到着をしましょう。
場所
試験場所は受験票に記載されている大学・専門学校になります。
詳しい住所は同じく公式HPを参照してください
持ち物リスト
公式から必ず携帯するものよう伝えられているモノは
- 受験票
- 黒鉛筆
- 消しゴム
その他製図に必要なモノを下記に示すので忘れないようにしてください
- 製図版
- ドラフティングテープ(マスキングテープ)
- 蛍光ペン(赤・黄・紫・青・緑)
- 色ペン(赤・青)
- 三角スケール
- 三角定規
- 勾配定規
- テンプレート
- 字消し版
- 電卓
- 刷毛
- 時計または腕時計
- 滑り止めマット
- 簡易まくら(机の傾斜)
- 飲み物や軽食(試験中の飲食は可です)
- 現金(タクシーなど積極的に利用)
- 携帯・スマホ(持ち物忘れたときに誰かに連絡するため)
注)2023年より筆箱類などの使用が禁止になりました。持っていっても卓上には置けませんのでご注意下さい。
製図道具のおすすめの記事についてはこちら
課題
試験課題は試験元より発表されている通り
『図書館』です。
要件図書は
- 1階平面・配置図 1/200
- 各階平面(何階あるか不明)1/200
- 断面図 1/200
- 面積表
- 計画の要点等
留意事項は
- 周辺環境に配慮した計画
- バリアフリー・省エネ・二酸化炭素排出量削減、セキュリティに配慮した計画
- 適切なゾーニング・明快な動線
- 構造上安全で経済的
- 架構形式とスパン割、断面寸法を適切に計画
- 空気調和設備・給水衛生設備・電気・昇降機を適切に計画
留意事項は必ず出題されるので事前にしっかりと見直しましょう!!とくに今年は二酸化炭素排出量に配慮することが明記されています。必ず準備しておきましょう!
計画の要点の対策記事はこちら
試験一週間前の過ごし方
試験一週間前は会社員の方は仕事を一週間前まるまる休める人もいれば、フルタイムで休みなんて全くない人もいるのではないでしょうか!?
私自身としては月から金まで会社に行きましたが毎日早退させてもらい勉強時間を確保しました。
もちろん試験元は個人の勉強時間の格差に一切の配慮なんてありませんので、自分の置かれている環境がいかに悪くとも製図試験は待ってはくれません。
できることなら休みを取り、万全の状態で臨みましょう、休みが取れないのであれば他の人よりハンディキャップを負うのでこの一週間は人一倍努力し奮起しましょう!!
私の通っていた資格スクールは月・火・水の18時から試験直前の追加講座がありました。私も追加講義を受けました。
3時間程度のエスキスのみの練習課題でしたが非常に解きごたえのある問題で
本番前のウォーミングアップとして非常に有益な講義となり個人的には満足しました。
試験本番よりも少し難しめに作成されているのでうまくエスキスができなくても焦らなくて大丈夫です!
一方試験前日の土曜にも直前講座があります。
内容は一回分のエスキスをやりましたが、メインは試験本番について最終確認を行い、「絶対合格するぞー!!」と受験生あるあるの決起集会になります。
技術面というよりはメンタル面のケアになるためあまり実りのあるものではないように思いますが、気合を入れ直すきっかけになると思います。
講師の人に聞ける最後のチャンスです有効に活用できる人は利用しましょう!!
試験前について
試験前日は図面を描くというより、資格スクールも「作図なしでエスキスだけでいいよ」と言います。
作図スピードを上げる時期はもうずっと前に終わっているということです。勉強も早々に切り上げ、できる限り休むことを優先して、当日で最高のパフォーマンスを出せるようにしましょう!!
今まで自分のミスしてきたところなどを重点的に見直すようにしましょう!!
試験本番当日は先ほど述べたように午前11時から始まります。
今までの試験よりは少しゆったりめなのでしっかり準備して余裕を持って会場に向かいましょう。
昼食も軽めに取るといいでしょう(終わりが17時半になるので…)
試験会場までは公共交通機関を使われる人もいますが、製図版が大きく、荷物も多いのでタクシーでいくことも大いに賛成です。
会場は10時過ぎくらいから開くので学科試験の時同様、長蛇の列で待たされると思います。会場前で検温・消毒等もあるので開場後すぐには教室に入れないかもしれません。あまり早く着きすぎてもメリットはありません。
コロナ以降、教室内は受験生同士の距離を保つため結構なゆとりを保てる机を用意されています。
私が去年受けた教室は自分一人で机を占領できたので、隣の人の消しゴムで消すときの揺れとかはなかったので快適でした。
それぞれの大学の机によっては滑りやすかったり、傾斜のあるものや固定机の場合もあると噂されているので、滑り止めや簡易まくらなど準備して柔軟な対応をしましょう。
試験中について
試験中は自分の製図スケジュールを持って臨みその時間通りに解きます
やはり今までの試験の傾向と異なる問題が毎年必ずと言っていいほど出されます。
それをサプライズと呼びます
サプライズは受験生を悩ませる種ですが
どの受験生も条件は同じで解ける人はわずかです
ならば”いかに時間を費やさずに割り切って進めるか”どうかであると個人的には思います
『木を見て森を見ず』の状態にならないよう本質は何を問われているのかしっかりと課題文を確認しましょう!!
多くの時間を使うエスキスでは対策として2パターン用意しましょう
- エスキスがうまくいって予定時間より早く終わった場合
- エスキスがうまくいかず予定時間を超えて焦ってしまう場合
エスキスがうまくいって予定時間より早く終わった場合
エスキスがうまくハマりいつもの予定時間より早く終わった場合
(去年の私がそうでした)
なぜか一回目プランですべてうまいった場合はとにかく余った時間を存分に中間チェックに使いましょう
2回でも3回でも製図を始めて決して後戻りしないレベルまで仕上げましょう
その中でも法規チェックは確実に行いましょう
これさえできればかなり合格が近くなります
エスキスがうまくいかず予定時間を超えて焦ってしまう場合
この時の気持ちは気が気ではないはずです
しかし焦りすぎてしまうともっと沼にはまってしまいます。
その場合は完璧を目指さないことです
「こちらを立てればあちらが立たず」のように両立することが不可能になることも結構あります
しかしそこで地団駄踏んでいたら製図開始がどんどん遅くなり終わりません
『自分はこれを守る』というもの一つ遵守するものを決め、あとは徹底的に捨てるようにしましょう
自分ができていないなら他の人もできていないはずと割り切り
他のところで差をつける
例えば 作図・計画の要点の密度を上げることを意識して
最後まであきらめずに取り組みましょう
個人的な優先順は
- 重大な不適合(法規ミス・要求室の欠落・設置階のミス)
- 課題で問われていること(周辺敷地との関わり・どういう建物であるか)
- ゾーニング・空間構成
- 動線
- 構造・設備
- 計画の要点
あらかじめ優先順位を決め柔軟な対応が勝負の分かれ目かもしれません!
プチ休憩を取る
エスキスが終わったら中間チェック→計画の要点→製図へ進んでいくと思います
それぞれの間隔ではプチ休憩を取ることをお勧めします
試験も中盤に向かい折り返している頃になり、
張りつめた空気から少しずつ解放された感じが出ているころかと思います
- 周りを見渡してほかの受験生はどんな感じかと探ってみたり
- トイレに行って少しリフレッシュしたり
- お菓子・飲み物を飲んでリラックスしたり
プチ休憩は終盤に向けギアチェンジでき、自然と身が引き締まると思うので
ぜひ取り入れてみてください!!
最終盤
製図も進み午後5時(残り30分)になったら、もうすべてを投げ出しチェックを始めてください。
本番は練習よりも作図量が増えることが予想されるため、描き終わっていない人も当然いるかもしれませんが
『チェックなくして合格なし』
という格言があるようにチェックしなければ合格はありませんので、
チェックはそれだけ価値があるものです
描き終えていない人はチェックで漏れている箇所と同時に仕上げるようにしましょう
この時も優先事項としては
- 絶対に書かなくてはならない項目(面積表・防火設備・室名・避難経路等)
- 配点に大きく絡むもの(家具・サッシ・DS,PS,EPS)
- 減点は避けられないがまだ許されるもの(植栽・目地)
- 減点にならないもの(字の美しさ・線の濃淡)
これらの優先順位に従い速攻で30分以内に書き上げてください。
計画の要点も分からなければなんでもいいので何かしらの文字を書いてさえいれば減点にはなってしまいますが、
不合格にはなりません
もし空欄があれば不合格になってしまいますので気を付けてください。
試験後について
試験は午後5時半に終わります
長丁場本当にお疲れ様でした
といいたいところですが…
資格スクールに通う皆さん残念ながらもうひと頑張りです
地獄の復旧図が待っています(計画の要点も…)
各資格スクールに戻り、試験で描いた図面をもう一度描き直します
これが本当に疲れます「泣きっ面蜂」の状態です(できることなら描きたくないですが)
この復旧図を基に講師たち資格スクールは合否判定、来年に向けての試験対策、落としたらダメな項目、落としても許容できる項目を決めてくれます
自分のためにも、未来のためにも描きましょう
「次の日でもいいだろ」と思いますが一度描いた図面は意外と当日のうちでも思いだせないので
日が過ぎていくごとに記憶があいまいになっていきます
その日のうちに描いて一日を終えましょう
復旧図を描いているうちに間違えを見つけ出すと、どんどん不安になっていきます
しかしもう終わったことなので直すことはできません
過去の自分を悔やみましょう
ただし何度も言いますが一級建築士試験は相対試験であるため
上位40%程度に入ることができれば合格です
多少のミスは許されます。希望を持って待ちましょう!!!
試験前に記事を読んでくださる皆さんはこうならないように
間違えやミスは最終チェック、中間チェックで見つけることが如何に大切であるか知っておいて下さい
資格スクールの採点
試験一週間後に資格スクールの講師の人の採点を教えてもらうことができます
- Ⅰ
- Ⅱ-A
- Ⅱ-B
- Ⅲ
- Ⅳ
のように講師の独断と偏見であなたの評価ランクが計られます
当時の私の評価はⅡ-Bでした。実際には合格でしたので万々歳で結果的には良かったです
逆に資格スクールでⅠの評価を受ける人はほとんどいないと言われています
理由は下手にランクⅠをつけて本当の結果が不合格の場合に責任が取れないようなので
上げてから下げるのではなく下げてから上げるみたいですね
あまり真に受けずに合格発表を待ちましょう!!!
合格発表
今年(2023)の合格発表は12/25(金)でクリスマスですね。
皆さんのもとにもサンタクロースが来ることを祈っています。2020年までは合格時にはHPに名前がフルネームで載りましたがいまではなくなっています。
あわせて読みたい
製図試験の必要な事項は以下の記事でも紹介しています。
製図試験に必須道具については
予備校ごとの製図試験のリアルについては
製図試験の絶対に守るべき法規については
製図試験の計画の要点については
まとめ
今回の記事では一級建築士製図試験の一週間前から試験後までの流れについてまとめてきました。
製図は非常に骨の折れる試験で学科試験からここまでノンストップで来た人はとてもすごいと思います。
合格でも不合格でも本当にお疲れさまといいたいです。
この記事が受験生の一助となれば幸いです。
コメントやフォローいただけるとモチベーションになりますので、気軽にコメントください。
以上TOMでした。
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