積載荷重とは

建物 荷重

今回は積載荷重についてわかりやすく解説していきたいと思います。また積載荷重を一覧で表にしましたので参考してみてください!!

積載荷重は建築の構造設計を行う上で最初に必要な荷重の知識です。荷重は構造設計を扱う上で最も重要なキーワードなので、ぜひこの記事を参考にしてみて下さい!!

積載荷重とはなんだ??

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積載荷重とは

積載荷重(英:Live Load)別名 活荷重とは建築物の中を動き回る荷重を指します。固定荷重はその名の通り固定されて動かない荷重を指します。対照的に積載荷重は長期的に作用しているけれども常にあるわけではないものつまり、流動性のある荷重を指していいます。代表的なものでいえば建物の中にいる人の重量家具運搬物の荷重を指します。

積載荷重の多くは個別に荷重を拾うことが困難なので一般に荷重を床面積でならした平米荷重として計算するのでよく床荷重とも呼ばれます。

また地震荷重は固定荷重と積載荷重を元に算定されるので、地震に強い建物を設計するうえ正しく積載荷重を算定することはとても重要となります。

積載荷重の記号は[L]または[LL]で表記され、単位は単位面積重量の[kN/m2],[N/m2]です。

固定荷重についてはこちらの記事を参考にしてみて下さい

固定荷重とは

積載荷重の設定と算定

積載荷重の設定と算定の算定方法は荷重指針によると、

積載荷重は建築物の供用期間を通じてその作用が一定ではなく、時間的・空間的に変動する可能性を有する物品・人間などによる鉛直方向の荷重である.対象とする部位ごとに想定する限界状態によって、通常使用時、非常時に応じて設定する.必要に応じて動的効果も考慮して設定する.

と記載があります。

ここで重要なのは対象となる部位ごとに積載荷重を変えることと時には動的効果も考慮する必要があるということです。

積載荷重の算定

積載荷重Qの基本値は以下の式で求めらます。

[積載荷重の基本値]

\(Q=k_{e}・k_{a}・k_{n}・Q_{0}\)

ke:等分布換算係数
ka:面積低減係数
kn:層数低減係数
Q0:基本積載重量(N/m2)

積載荷重の基本値は主に建築物の用途が明確でないときや、一から積載荷重を設定する場合に用いられます。多くの場合においては建築基準法施行令85条に基づいて設計をするので覚える必要はないです。詳しい積載荷重の設定方法の解説は建築物荷重指針・同解説をご覧ください。

引用元:建築物荷重指針・同解説

建築基準法施行令 85条

建築基準法施行令の85条において積載荷重についての詳しい記載があります。

 建築物の各部の積載荷重は、当該建築物の実況に応じて計算しなければならない。ただし、次の表に掲げる室の床の積載荷重については、それぞれ同表の(い)、(ろ)又は(は)の欄に定める数値に床面積を乗じて計算することができる。

建築基準法施行令 85条

表の中の床用というのはスラブの計算や床を支える小梁の断面や配筋を決める際に用いる荷重のこと、架構用というのは建物全体の計算や基礎などの全体的な柱・梁の断面や配筋を決める際に用いる荷重のこと、地震用は地震荷重は固定荷重および積載荷重から算出するので地震力(水平力)を算定するときに用いる荷重のことを指しています。

また積載荷重がどのくらい考慮されているかをイメージする際は部屋の中に水を貯めた時のイメージをするとわかりやすいです。例えば住宅の居室は床用で1800N/m2なので約1.8mの水で部屋が満たされているような状態と同じことなので、こう考えると結構荷重を重めに検討している、あるいは検討しなければならないと感じ取れます。

建築基準法施行令 85条 2項・3項

2 柱又は基礎の垂直荷重による圧縮力を計算する場合においては、前項の表の(ろ)欄の数値は、そのささえる床の数に応じて、これに次の表の数値を乗じた数値まで減らすことができる。ただし、同項の表の(五)に掲げる室の床の積載荷重については、この限りでない。

3 倉庫業を営む倉庫における床の積載荷重は、第一項の規定によつて実況に応じて計算した数値が一平方メートルにつき3900N未満の場合においても、3900Nとしなければならない。

建築基準法施行令 85条

2項の規定は柱や基礎を検討する際に使う圧縮力を支えている床の数に応じて低減することができます。一方で柱や基礎にかかる引張力は低減することができませんし、せん断力・曲げモーメントも低減することができません。

3項の規定は倉庫を設計する際はたとえ設計条件や実状に応じて積載荷重が3900N/㎡を下回ることとなっても必ず3900N/㎡以上を採用しなくてはならないということです。倉庫を設計する際は気を付けましょう!!

積載荷重の計算例

[計算条件]

  • 各階の負担面積を20㎡
  • 支えている床の数は 3
  • 1、2層は学校の教室・3層は学校の屋上とする
  • 固定荷重は考慮しないものとする

最下階の柱の圧縮力の計算方法は
(各層の積載荷重)×(各層の柱の負担面積)×(低減係数)
で表すことができるので上図の場合であれば

\( (2.4\times 20+2.1\times 20\times 2)\times 0.9=11.88kN\)

引用元:建築物荷重指針・同解説

まとめ

今回は積載荷重についてまとめてきました。積載荷重は建築設計において重要なキーワードです。

もし積載荷重が分からなくなった場合はこちらの記事を参考にしてみてください!!

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